製品概要Product Outline

オズバーガー社製クロスフロー水車の製品仕様・構成部品等をご紹介します。

オズバーガー社について

オズバーガー社製クロスフロー水車は、オズバーガー水車とも呼ばれ、オーストラリアの発明家であるアンソニー・ミッチェルとドイツの起業家であるフリッツ・オズバーガーによる交流から開発が始まりました。その初期モデルは1900年代初頭に製造を開始し、その後フリッツ・オズバーガーが1922年に「フリージェット水車」として特許を取得、さらに幾多の改良を重ね、1933年に「クロスフロー水車」として特許を取得し現在に至っております。
今日ではオズバーガー社製クロスフロー水車は世界で類似の製品は多数あるものの比類なき性能を有しています。オズバーガー社はドイツのヴァイセンブルクに拠点を置き、過去100年以上の歴史の中で累計10,000台以上が世界100ヶ国以上で設置されています。

素材

構成部品には様々な素材を採用しており、使用環境に基づいて選択します。これには、運用コストが最適になるよう個々の構成部品の損耗を考慮しており、これもオズバーガー社の長年の経験が活かされています。

オズバーガー社製クロスフロー水車の構成部品

ケーシング

ケーシングは全体が溶接されており、強固な構造となっています。また、取り外し可能なハウジングによってランナ点検が容易になります。

ベアリング

長寿命な耐久性を有したローラーベアリングを装備しています。このベアリングは密封構造のため、メンテナンスはグリスガンによる定期的な補充・交換のみです。また、グリスが水流を汚染しないという利点もあります。

基礎フレーム

水車を基礎に固定している安定性の高い基礎フレームにより、短い工期で据付ができます。

ランナ

円筒型のランナには、オズバーガー社で実績のある圧延加工で製作した鋼鉄製のブレードが装備されています。水車の両側にあるエンドディスクに特殊な技術を用いて溶接されています。ランナには、そのサイズにより最大37個の羽根が装備されます。また、著しく振動が発生しないように羽根を中間ディスクで支持し剛性を高めています。
さらに、最終組み立て前には細心の注意を払って水車のバランスを取っています。
封水は取替可能なグランドパッキン方式を採用し軸を密封しています。

ガイドベーン

ガイドベーンは、流水がスムーズにランナに流れ込むよう流線形状に製作され、大小2分割されたそれぞれのガイドベーンによって流量が制御されています。この2枚のガイドベーンは漏水量を非常に少なく維持できるため、水圧が低い状況ではガイドベーンが流水を遮断する装置として用いることもできます。この2分割されたガイドベーンで流量に応じた制御を行い、平坦な効率曲線を実現しています。

吸出し管と吸気弁

オズバーガー社のクロスフロー水車は、吸出し管を用いると負圧を利用して水車中心から放水位までの落差の一部を有効活用することができます。一般的に落差40m未満の水力発電所に効果があります。
オズバーガー社の吸出し管付き水車は、吸気弁によって負圧を制御することで、2.5mの低い落差でも発電することができます。