架空送電技術
フロートデリック工法Float derrick method
狭隘地に対応した吊荷工法
鉄塔上の荷役作業において従来工法(ウィンチ+ワイヤロープ、台棒工法、クライミングクレーン工法、移動式クレーン工法)では、
工事敷地が狭い箇所など、適用が困難な場合がありました。
フロートデリック工法は鉄塔内部にデリック本体を吊って荷役作業を行うことにより、
広範囲な敷地や大規模な資材置き場を確保することなく、狭隘地での吊荷作業を実現する工法です。
フロートデリック工法の特徴
- 1
- 鉄塔外側への支線設置がなく、介錯の必要がない荷役作業のため、コンパクトな施工が可能です。
- 2
- 装置の構成部材が少なく、運搬車両台数が低減するため、周辺環境への影響緩和が図れます。
従来工法による課題
台棒工法 | 市街地・狭隘地で支線の設置を確保するために広範囲の敷地確保が必要 |
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クライミングクレーン工法 | 装置が大きいため、運搬車両台数が多く、資材置場の確保が必要(定格荷重1tで機械重量10t) |
移動式クレーン工法 | 山岳地においては適用が困難 |
フロートデリック仕様
鉄塔頂部よりアームを張出し、荷役作業を行います。デリック本体は水平支線および斜支線により支持します。
定格荷重 | 1t |
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作業半径 | 最大 9m |
支持形態 | 鉄塔中心での水平支線、斜支線によるフロート方式 |
適用鉄塔 | 部材単体重量1.0t以下、根開き18m以下および頂部幅2.0m以上の鉄塔 |
装置総重量 | 3,060kg(クライミングクレーンの約30%) |