環境管理活動
環境マネジメントシステムの導入とISO14001外部認証の取得
当社は、2000年5月に、初めて本店ビルと東ビル(情報通信本部)ISO14001認証を取得、順次事業場毎にISO14001の認証を拡大し、環境マネジメントシステム(EMS)活動を展開してきました。
各事業場では、オフィスで使う紙や電気の使用量削減、廃棄物のリサイクル、環境に関する法律の順守、「セーフティ・エコドライブ」の推進によるCO₂やガソリン消費量の削減などに取り組みつつ、業務活動を通して再生可能エネルギー事業の拡大や熱供給事業の効率的な運用など、CO₂の排出削減に一定の成果を上げてきました。
2011年4月には、全社統一した「環境方針(後に環境経営方針に改正)」及び「環境経営体制」に基づいた活動を開始させ、2011年12月には全社統合したISO14001の認証を取得いたしました。
2017年9月には、外部認証機関によるISO移行審査を受審し、ISO14001(2015版)の認証を取得しました。取得後は毎年、外部認証機関による定期審査を受け、認証を継続しています。
当社は、「環境経営方針」に基づき、全社にわたる環境マネジメントシステム(EMS)を構築して、継続したシステムの改善、環境法令の遵守、業務品質の維持向上やパフォーマンス向上に取り組み、積極的な環境管理活動を推進しています。
【環境マネジメントシステムの全社展開】
2000年5月 (平成12年) |
環境マネジメントシステム:ISO14001認証取得(本店シーテックビル・東ビル(情報通信本部)) |
---|---|
2001年5月 (平成13年) |
環境マネジメントシステム:ISO14001認証取得(電力本部・土木建築本部) |
2001年12月 (平成13年) |
環境マネジメントシステム:ISO14001認証取得(静岡支社・三重支社・岐阜支社・長野支社・岡崎支社) |
2011年2月 (平成23年) |
全社環境方針の制定(2019年(平成31年3月)に環境経営方針に改定) |
2011年4月 (平成23年) |
全社統合したEMSの活動開始 |
2011年12月 (平成23年) |
環境マネジメントシステム:ISO14001認証取得(全社統合した体制にて外部認証を取得) |
2017年10月 (平成29年) |
環境マネジメントシステム:ISO14001(2015版)認証取得 |
以降、毎年の外部定期審査と3年毎の外部更新審査を重ね、現在に至っております。
【ISO14001外部認証取得状況】
- 適用規格
- :ISO14001:2015
- 認証番号
- :E00-128
- 組織名称
- :株式会社シーテック
- 初回認証日
- :2000年5月30日
- 有効期限
- :2026年11月9日
- 審査登録機関
- :一般財団法人 電気安全環境研究所
- 登録範囲
- :建設業(電気工事、電気通信工事、
土木工事、塗装工事等)
熱供給事業
再生可能エネルギー事業
エネルギーソリューション事業

2023年9月に更新審査が実施されました。その結果、当社のマネジメントシステムが
有効に運用されていると評価され、11月10日付で再認証されました。
環境経営方針
「中部電力グループ環境基本方針」に基づき、「環境経営方針」を以下のとおり定め、環境管理活動を展開しています。
わたくしたちは、地球環境の保全が世界共通の重要課題であることを強く認識するとともに、当社の主要業務である電力・情報通信・土木・再生可能エネルギー等の業務を通して、環境保全、環境ビジネスの推進を図り、持続可能な社会の構築に貢献することで、社会からの信頼と期待に応え続ける会社を目指します。
- 1
- 環境保全に関する法令およびその他の要求事項を順守するとともに、パフォーマンス向上のため継続的に改善を行い、業務を確実かつ効率的に遂行することで、省エネルギー・省資源に努め、環境汚染の予防と環境負荷の低減に努めます。
- 2
- 地球温暖化防止のため、再生可能エネルギー事業の拡大などの業務活動を通して脱炭素社会の実現に向け貢献します。
- 3
- 循環型社会を目指し、廃棄物の適正処理およびリサイクルの推進に努めます。
- 4
- 自然との共生を目指し、多様な生物の生態系に配慮し事業活動を行います。
- 5
- 技術の研鑽と研究開発に取り組み、環境に優しい技術をお客さまに提案することで持続可能な社会の構築に向け貢献します。
- 6
- 環境経営方針の理解と環境に関する意識向上を図るため、環境教育を実施するとともに、地域社会環境活動への積極的な参加に努めます。
2021年7月1日
株式会社シーテック
代表取締役社長
社長執行役員 仰木 一郎
環境管理活動体制図
各事業所(本店管理部門、各本部、各支社)は、社長の定めた「環境経営方針」に則り、全社共通の環境マネジメントシステムによって環境管理活動を実施しています。
全社大での環境管理活動を効率的・効果的に実施するために、「環境管理委員会」を設置しています。
環境管理委員会は、環境を統括する役員を委員長として、各事業所毎に配置している環境管理責任者等で構成しています。

2023年度目標と実績
取組項目 | 2023年度目標 | 2023年度実績 | 関連するSDGs |
---|---|---|---|
法令およびその他の要求事項の順守 | 法令およびその他要求事項を重視した業務の実施 ◇環境汚染事故ゼロ ◇省エネ法:工場等判断基準の順守 |
・周辺への影響ある環境汚染事故なし ・管理標準の適正管理や定期報告用データ等で順守を確認した。 |
![]() |
省エネルギー・省資源 | ①全社建物電気使用量の削減と排出CO₂削減 ◇2020年度比7%削減(▲260千kWh、▲197t-CO₂) ②セーフティ・エコドライブの実践による燃費向上と排出CO₂削減 ◇2020年度比燃費 4%向上(13.3km/ℓ) (社有車:ガソリン・軽油計:▲206t-CO₂) ③SCOPE1(車両燃費等)+ SCOPE2(全社建物電気使用量等)排出総量(t-CO₂)の削減 ◇SCOPE1+SCOPE2 2020年度比 ▲9%,▲403t-CO₂ ④ICTツールの活用拡大等による業務効率化 |
①2020年度比4.1%増(+153千kWh、+193t-CO₂) ②2020年度比 5.3%向上(13.4km/ℓ)▲267t-CO₂ ③SCOPE1+SCOPE2 2020年度比 ▲1.7%,▲74t-CO₂ ④・Web会議システム、Teams等を活用した会議 ・打合せの効率的な運用と出向時間の削減を実施 ・ペーパーレス会議の継続実施 |
![]() |
環境汚染の予防と環境負荷の低減 | 合理的な工事・保守業務の実施 ◇手直し工事の削減や事故未然防止・無理無駄の排除につながる活動 ◇プロセス改善活動推進による手順の最適化と標準化 |
・諸工事および保守点検時に使用する什器類の低騒音振動機の使用 ・改正フロン規制法に伴う対象機器の点検 ・業務プロセスかいぜん活動の実施および報告 (経理伝票の電子化により場所にとらわれない働き方を実現。他) |
![]() |
脱炭素社会への貢献 | ①風力発電の新規開発地点調査の推進と既設設備の稼働率向上に向けた運転保守 ②太陽光発電の効率的な保守 ③水力発電の新規開発の推進と既設設備の高稼働運転ならびに積極受注による貢献 ④中日ビル建替中プラントの効率運用 ⑤原子力関連工事の確実実施による原子力発電安全性向上への貢献 |
①目標通り実施した ➁目標通り実施した ③中切水力発電所運転開始 ④当該プラントにて、7月まで運転を継続し、中日ビルの8月竣工に合わせて、新プラントの運用を開始 ⑤当社事由による工事遅延等発生なし |
![]() |
産業廃棄物の適正処理と リサイクルの推進 |
①産業廃棄物の適正処理の実施 ◇処理業者に対する実地確認の確実実施 ◇電子マニフェスト登録の確実処理 ②産業廃棄物リサイクル等(3R)の推進 |
①・実地確認後1年経過処理業者の事前周知(本店→全社)の継続実施 ・過去の具体事例から対策を検討し全社に周知を実施 ②「産業廃棄物の3Rの推進」eラーニング教育の実施 |
![]() |
自然との共生と生物多様性への配慮 | 発電所建設や送電線保守における希少動植物に配慮した業務の実施 | ・工事の着工前等の各種機会を通して、希少動植物に関する教育を実施等 | ![]() |
技術の研鑽と研究開発 | 持続可能社会の構築(強靭なインフラ構築)に寄与する技術の研鑽と研究開発の実施 | ・持続可能社会の構築に寄与する研究件名を8件実施 | ![]() |
環境に優しい技術の提案 | 環境負荷低減につながる技術を適用した工事・保守の受注拡大 | ・eco工種:51工種 (環境に優しい技術・工法をeco工種として社内で指定) ・KODOBOKU技術 2024愛知環境賞 金賞受賞 |
|
環境教育の実施 | ①全社環境教育の実施 ◇環境e-ラーニング導入、受講率向上(全社2022年度実績76%) ◇国内における「SDGs」や「脱炭素化の動き」 ◇2022年度是正処置状況と関係する法令教育 ②内部監査員資格者の養成・確保 |
①e-ラーニングによる全社環境教育の実施 「EMS基礎教育導入編」 受講率 82% 「産業廃棄物の3Rの推進」 受講率 80% ②内部監査員養成研修の実施(内部監査員資格者:計200名) |
![]() |
地域社会環境活動への参加 | 地域環境活動への参加 ◇地域ボランティア活動の情報提供と啓蒙による社員の積極的参加の推進 |
・地域清掃活動、環境イベントへの出展等へ参加 |
【評価】
取組項目のうち、「全社建物電気使用量の削減と排出CO₂削減」は、購入先電気事業者のCO₂排出係数が上がったため、SCOPE2(事業場の電気使用等)の排出量が増加し、SCOPE1+SCOPE2合計削減量の目標達成は未達となりました。
2024年度も継続して省エネルギー、省資源の目標達成に向けて取り組みを実施します。
今後の取り組み(2024年度目標)
取組項目 | 今後の取り組み(2024年度目標) | 関連するSDGs |
---|---|---|
環境法令等の順守 | ①環境(大気、土壌、水質、騒音、振動)汚染ゼロ ②廃棄物、化学物質の適切かつ効率的な管理と処理 ③工場等判断基準の順守 |
![]() |
環境負荷の低減 | ①建物電気使用量の削減と排出CO2削減 2020年度比 ▲7%,▲260千kWhと▲249t-CO₂(全社) ②車両燃料使用量の削減と排出CO₂削減 2020年度比 ▲10%,▲117klと▲274t-CO₂(全社) ③SCOPE1(車両燃料使用量等)+SCOPE2(建物電気使用量等)の排出総量(t-CO₂)の削減 SCOPE1+SCOPE2 2020年度比 ▲12%,▲523t-CO₂ ④産業廃棄物の3Rの推進 ⑤eco工種、プロセス改善の提案・実施 ⑥技術開発、提案 |
![]() |
脱炭素社会への貢献 | ①再エネなど非化石電源の開発、効率的な保守 ②工事、保守現場の脱炭素化 |
![]() |
環境保全活動/ 生物多様性への取り組み |
①環境教育の実施 ②地域環境活動への参加 ③生物多様性への貢献 |
![]() |
KODOBOKU(小土木)技術 2024愛知環境賞 金賞受賞
当社のKODOBOKU(小土木)技術が愛知県主催「2024愛知環境賞」の最高位である「金賞」を受賞しました。
KODOBOKU技術は、送電鉄塔の保守から生まれた工法であり、今回の審査においては、豪雨災害による山間地の危険予測を行うとともに、現地素材を活用した環境負荷の小さい治山技術による最適な敷地保全を実現させたことは、森林環境保全と脱炭素社会の実現に大きく貢献するものとして高く評価されました。
当社はこれからも、KODOBOKU技術を活用し、森の再生や脱プラスチック・脱廃棄物、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

賞状とトロフィ

「2024愛知環境賞」表彰式

小土木技術を活用した現場施工例
外部審査・内部監査の実施状況
当社は、環境マネジメントシステムが適切に運用されているかに関し、外部認証機関による定期審査を受けて、業務品質の維持向上に活用しています。
内部監査は、毎年全社の1/3を実施し、被監査部門の環境マネジメントシステムへの適合性および法令順守状況や、前回の外部審査・内部監査での指摘事項等に対する対応状況等を監査し、PDCAが確実に回っていることを確認しています。
また、社外講師による内部環境監査員養成研修を定期的に実施し、内部環境監査員資格者を確保し、内部監査体制を整えています。
2022年度 | 内部環境監査の指摘 | 外部認証機関による 審査での指摘 |
---|---|---|
特記すべき適合事項 (推奨事項) |
0 | 3 |
観察事項 | 6 | 4 |
軽微な不適合 | 0 | 1 |
重大な不適合 | 0 | 0 |
観察事項や不適合は、改善計画の作成、是正処置を的確に実施し、2023年度では改善・解消しました。また、指摘のあった事例などは、全社への周知展開を行い、業務品質の向上に活用しています。
環境教育の実施
全従業員を対象にしたe-ラーニングによる全社環境教育を年1回実施し、環境意識の向上と積極的な環境に対する取り組みを推進しています。
2023年度は「EMS基礎教育(導入編)」、「廃棄物の減量化とリサイクル(3R)」について教育を行いました。
環境関連資格保有者
2024年5月現在
資格名 | 取得人数 | |
---|---|---|
公害防止管理者 | 騒音 | 14名 |
振動 | 7名 | |
騒音・振動 | 3名 | |
水質 | 11名 | |
大気 | 6名 | |
エネルギー管理士 | 37名 | |
特別管理産業廃棄物管理責任者 | 270名 |
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(2022年4月施行)」に
基づく排出量の掲載について
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
廃プラ 排出量 |
735t | 589t | 682t | 分離困難な 混合物含む |
当社は、主に建設業を営んでいることから、工事受注完工高等により排出量は大きく変動が生ずることになります。
環境管理活動で環境目標に3Rの推進を掲げており、リサイクル率の高い優良認定廃棄物処理業者を選定しての発注や、環境に優しい工事工法の選定、廃棄物の低減に寄与する技術開発などを行っています。
環境パフォーマンスデータ




各事業所・地域での活動
地域清掃活動への参加
当社は、地域清掃活動等を通じて、地域社会に貢献し、地域の皆様に信頼される企業となるよう努めています。

大高緑地内の清掃活動
(名古屋市緑区)

南大高町 町内一斉清掃への参加
(名古屋市緑区)

大高ビルの周辺および歩道橋の清掃活動
(名古屋市緑区)

青山高原「ぬのびきの森」の清掃活動
(三重県青山高原)

三重支社事業所周辺の清掃活動
(三重県津市)

岐阜支社事業所周辺の清掃活動
(岐阜県岐阜市)

美濃加茂市地域美化活動へ参加
(岐阜県美濃加茂市)
千葉県銚子市「ビーチクリーン
活動」への参加
千葉県銚子市潮見町の屏風ヶ浦ビーチクリーンボランティアが主催する「ビーチクリーン活動(毎月第一日曜日に開催)」に参加いたしました。この活動は地元サーファーの皆さまが中心となって16年間毎月継続されている取り組みであり、当社は地元名洗町住民説明会をご縁に、昨年7月以降毎月参加してきています。(再生可能エネルギー事業本部)


「きれいな信州環境美化運動」へ参加
長野県が取り組む「ごみゼロの日」統一美化キャンペーン(2023年5月28日~6月30日)、きれいな信州美化キャンペーン(2023年10月1日~10月31日)に参加し環境美化活動を実施しました。(長野支社内各事業所)
環境イベントへの出展、出前講座
2023年10月14日・15日、秋田県三種町で開催された「三種町町民祭」に出展し、当社の洋上風力発電の紹介や人力発電機を漕いで発電をする催しを実施しました。(来場者250名)


2023年10月21日、三重県津市「メッセウイング・みえ」で開催された「つ・環境フェスタ2023」に出展し、青山高原一帯における風力発電設備の紹介や手作り風車の作成を実施しました。(来場者200名)


2023年12月10日、三重県津市「メッセウイング・みえ」で開催された「みえ環境フェア2023」に出展し、青山高原一帯における風力発電設備やレインボーソーラーすずかの太陽光発電設備についての紹介や手作り風車の作成を実施しました。(来場者200名)


2024年2月18日、岐阜県多治見市「ヤマカまなびパーク」で開催された「たじみ環境フェア2024」に出展し、当社の太陽光発電所の紹介や環境クイズを実施しました。(来場者40名)


2023年8月6日、地域の子供たちが風力発電を学ぶ機会として秋田県能代市主催の「能代市子ども館」で開催された「夏休み講座」に参加しました。


施設見学会の実施
当社の太陽光発電所であるソーラーパーク新舞子(最大出力9,020kW)にて計3回、見学会を実施しました。(延べ32名参加)


行政のSDGs推進活動への登録
2020年12月 | 静岡市が事業所・団体等によるSDGs活動を促進することを目的として実施している「静岡市SDGs宣言」へ静岡支社が登録しました。 |
---|---|
2023年1月 | 美濃加茂市の「みのかもSDGs推進パートナー」に美濃加茂支店が登録しました。 |
2023年11月 | 岐阜県の「ぎふSDGs推進パートナー」に美濃加茂支店が登録しました。 |



ハートリレーキャンペーンの実施
名古屋NGOセンター中部NGOおうえん基金とタイアップしたハートリレーキャンペーン「シーテッククリック募金2023」を当社HP上で実施し、名古屋NGOセンターが運営する「中部NGOおうえん基金」の環境分野にエントリーするNGO5団体の活動に寄付をいたしました。